STORY
不慮の火事で愛する夫と息子を亡くしたオリビア(井上)。
いま関西国際空港に降り立った彼女の胸は、自責と後悔の念に苛まされていた。
「なぜ、あのとき自分はそこにいなかったのか?」
襲いくる炎の幻影を振り払うかのように、夫が生前に訪れた犬鳴山へと向かうオリビア。
鬱蒼とした山道を深く分け入る彼女の目の前に、やがて未知の光景が開ける。
白装束の山伏たちによる護摩焚きの行。
そこで出会った拝み屋の龍之介(加藤)から、この地にしばらくいることを勧められたオリビアは、近くの「犬鳴の宿」に宿泊することにする。
宿で働く瑞穂(岩瀬)や、そこに住む子供たち、宿泊客・仁(的場)と共に自然を感じながら過ごすひととき。
悲しみに打ちひしがれていたオリビアの心も次第にほどけていく。
だが、そんなある日、思いもよらぬ知らせが母国から届く…。